「腐ったもみの木を伐採して頂けないか?」
長野県軽井沢の別荘地にお住いの方より、お問い合わせをいただきました。
大木が腐ると、倒木の恐れがあるので大変危険です。もみの木は、高さ18メートル、直径は50cmもありましたので、万が一通行人などに当たってしまったら大変な問題です。
早速、伐採作業を行いました。
ラフタークレーンとトラッククレーン
雪残る軽井沢にて、ラフタークレーンという大型特殊車両を使用しました。
ラフタークレーン
ラフタークレーンは、オフロードや不整地での使用に適しているクレーンです。大型のタイヤやクローラーが装備されており、不整地でも比較的高い機動性を持っています。重量物の持ち運びや、建設現場での構造物の組み立てに多く用いられます。また、比較的設置が容易で、多様な地形での作業が可能です。
トラッククレーン
一方、同じような名前でトラッククレーンというのがございます。トラッククレーンは一般的な道路を移動することができるクレーンであり、主に舗装された道路上での使用に適しています。クレーンがトラックの上に搭載されているため、高速道路を含む一般道での移動が可能で、現場間の移動が迅速です。また、移動に伴う設置が比較的迅速で、都市部の建設現場や狭いスペースでの作業にも適しています。
ラフタークレーンとトラッククレーンの違いと共通点
ラフタークレーンとトラッククレーンは、建設や重機運搬などに使われるクレーンのタイプですが、その違いは主に機動性、設置のしやすさ、使用する環境などにあります。どちらのクレーンも高い持ち上げ能力を持ち、建設や工事現場での重要な役割を果たしますが、使用する環境や目的に応じて選択されます。ラフタークレーンは不整地やオフロードでの強みを生かし、トラッククレーンは移動の便利さや都市部での作業にその強みがあります。
今回の作業方法は「吊るし切り」でした
もみの木は高さ18mにも達する大木であり、そのため伐採作業は非常に慎重に行われました。なぜなら、伐採した樹木が人や建物に当たることは絶対に避けなければならないからです。
そのために、安全を第一に考え、「吊るし切り」を3回に分けて行いました。
「吊るし切り」とは、伐採作業の一つで、特に危険を伴う状況や狭いスペースでの木の伐採に使用されます。この方法は、木を安全かつ制御された方法で地面に下ろすために用いられます。具体的な作業プロセスは以下の通りです。
①準備
伐採する木の周囲を確認し、落下する際に障害となるものがないか、また、作業に最適な方向を決定します。
②アクセス
伐採する木の上部にアクセスするために、クライミング技術を使用し、作業員が木の上部に到達します。作業員はとげとげが付いた専用の靴を履いて木を登ります。
③吊り装置の設置
木の切断される部分より上に、ラフタークレーンとケーブルを設置します。切断された木が地面に落ちるのではなく、吊り下げられるようにします。
④切断
木の計画された部分を切断します。この際、切断部分は吊り装置によって支えられているため、コントロールされた方法で木を落下させることができます。
⑤下降
切断された木の部分を、吊り装置を使用してゆっくりと地面に下ろします。これにより、作業員や周囲の建物、他の植生へのダメージを最小限に抑えることができます。
「吊るし切り」は、木が建物や電線、他の木々などに接触するリスクが高い状況、または伐採作業が周囲に損害を与える可能性がある場合に特に有効です。この方法は高度な技術と専門的な機材を要求し、伐採作業の安全性を高めるために訓練されたプロフェッショナルによって行われます。
要するに、切断した木が下に落ちないように吊るし、切った樹木が吊るされたまま下に落ちないようにするということですね。
まとめ
最後に、伐根作業で完了です。伐採した株をそのまま放置すると、腐敗が進んで悪影響を及ぼす可能性があるため、伐根がおススメです。
伐採した木はリサイクルセンターに運び、火力発電用の燃料に再利用されました。単なる廃棄だけでなく、地球の環境に配慮した方法を探求しています。
以上今回は、軽井沢で行ったもみの木の伐採作業を、ラフタークレーンを使って「吊るし切り」で行いました。樹木に関することでしたらお気軽にご相談ください。