今回は、新宿にある某重要文化財内日本庭園の改修工事です。名前を出すことはできませんが、写真の許可はいただきました。もしかしたら、この画像でわかる方がいらっしゃるかもしれませんね。

庭園の修理は、さまざまな配慮が必要です。今回は、一般の方があまり見ることのできない貴重な工事の様子をご紹介したいと思います。

新宿の重要文化財日本庭園の改修工事施工例

現場は、新宿。建物は、1928年建造物。庭が老朽化しているとのことで、11月より改修工事をスタートさせました。

流れとしては、石工事、舗装工事、芝張り工事、植樹工事の順で庭園を造っていきます。まず準備として、既存の樹木を移設。樹木や石など、すべてが重要な財産ですので、傷をつけないように丁寧に掘り起こしました。

その後、重機で整地。こちらも細心の注意を払ってススメます。とはいえ、どのお客さまでも、作業は慎重に行っていますので、特に緊張しすぎることなく、適度な緊張感をもって作業してきます。

予想以上に大変な石の配置作業

弊社には、日本庭園のスペシャリストがおります。庭園の作業においては、その社員がリーダーとして先導に立ち、現場を動かしていきます。

その熟練のスタッフでも、今回は、難儀だったようです。最初の段階である、石の配置。これが、予想以上に時間がかかりました。台風などの悪天候による影響もありましたが、量が多いことと当然ながら重い。

石は、積み上げていくごとに、修正が難しくなります。不揃いな形の石をいかに美しく積み上げるかは、リーダーの手腕の見せ所。そして、数センチのズレは、すべてを積み上げた時に、景観を損なう原因にもなります。納期があるものの妥協できないのところなので、納得いくまで調整しました。だいぶ時間もかかりましたが、その分1mmの妥協もないすばらしい出来となりました。

変化を楽しむ「つくば石」をベースに美しく

改修工事では、19個の石は既存のものをそのまま使い、新たに44個の石を使いました。中でも、メインとなる景石には、日本庭園でよく使われている「つくば石」を使用。つくば石は、マグナからできている斑れい岩で、黒く美しいのが特徴の岩石です。

大小10個のつくば石を景石に、その他20個の護岸石、水落ち石、飛び石と配置しました。この配置は、設計図通りに設置していきます。

もう一度整理しますと、まずはきっちり整地し、その後使えない石を取り除き、さらに整地。最後に、新しい石を配置するという流れです。位置が確定したらコンクリートを流し、砂利を敷く、これで前半終了です。

庭園作りはまずは、石工事と舗装工事を先に施工します。

手間暇をかけて壮麗な日本庭園を創り出す

  

礎となる部分ができました。このように日本庭園は、石工事と舗装工事で基本的な設計を行います。この後は、芝張り工事から植樹工事という流れになります。

今回は、もう少し写真が取れそうですので、数回に分けてレポートしたいと思います。最終的な日本庭園完成まで、よろしければお付き合いください。