今回は、さいたま市浦和大門にある工場施設の裏斜面にて、高麗芝張り施工を行いました。
一般的にこのような傾斜地ではコンクリートブロックによる法面整備が採用されることが多いですが、今回はあえて“見た目の美しさ”を優先し、芝生による緑化をご希望いただきました。

現場の傾斜はなんと41度。河川の碁盤工事(急傾斜地での法面保護工)にも匹敵する角度で、芝のズレ・滑落・定着性の確保が最大のポイントとなる難易度の高い施工でした。
芝張りの基本方針と材料選定

今回使用したのは、日本で最もポピュラーな芝生品種の一つ「高麗芝」です。
高麗芝は、
- 耐暑性に優れている
- 踏圧にも比較的強い
- 維持管理を丁寧に行えば美観を長く保てる
という特徴があり、法面緑化にも多く使用されています。
ただし斜面施工ではズレや流出のリスクが高く、施工技術の高さが求められます。
41度の斜面に芝を張る技術的工夫

今回の斜面は41度という非常に急な傾斜でした。通常の地面と異なり、「ただ芝を並べる」だけでは雨や風で簡単にずれ落ちてしまいます。そのため以下のような手順と工夫を行いました。
【1】芝の敷設は「2〜3列ずつ」
全面を一気に敷くと、未固定の芝が滑りやすくなるため、
- 芝ブロックを斜面に立てに並べる
- 2〜3列ずつ張るごとに固定処理を実施
という流れで段階的に施工しました。
【2】竹串による芝の固定

芝のズレを防ぐため、各ブロックには2〜4か所の竹串を打ち込み、しっかり固定しました。竹串は、
- 打ち込みやすく扱いやすい
- 経年劣化で自然分解され、抜く必要がない
- 土と同化し環境負荷が低い
といった特徴を持ち、豪雨や高温期における滑落防止に大きな効果を発揮します。



芝 vs. コンクリートブロック工事|どちらが良い?
今回のような法面整備では、コンクリートブロックを敷設する工法が主流です。コスト面で安定し、メンテナンス不要というメリットがあります。
一方で芝生には、
- 見た目の美しさ
- 季節ごとの変化
- ヒートアイランド対策
- 周辺環境との親和性
といった利点があります。
今回は工場の裏側でありながらも景観への配慮を重視された結果、芝生による法面緑化をご選定いただきました。ただし定期的な水やりや芝刈りなどの維持管理が必要となります。
施工工程まとめ
工程 | 内容 |
---|---|
現地調査 | 傾斜角・地質確認、排水経路確認 |
下地整備 | 整地・段取り確認 |
芝張り | 2〜3列ずつ段階施工 |
固定処理 | 各芝ブロックに竹串を打ち込み固定 |
完成 | 全面を芝で覆い、最終確認 |
まとめ|急傾斜地の芝張りはプロにご相談ください

41度の急斜面に芝を張る施工は、通常の芝張りとは異なり、地形と芝の特性を深く理解した職人技が求められます。今回のような特殊な現場でも、経験と知識を活かして安全・確実に対応することが可能です。
「コンクリートでは味気ない」
「景観を大事にしたい」
「エコで見栄えの良い選択をしたい」
そんなご要望には、芝張りによる斜面施工がおすすめです。
さいたま市や埼玉県内での芝張り・法面緑化のご相談は、ぜひ徳寿園までお気軽にどうぞ。